今週月曜日の読売新聞に
『建物現況調査』について記事がありました。

今年の4月から宅地建物取引業法が改正されて、
中古住宅の取引に伴い専門家が建物の劣化状況などを調べる
『建物現況調査(ホームインスペクション)』を
実施するかどうかを売り主、買い主に確認することが
義務付けられました。
この法改正の狙いは、恐らく中古住宅の流通を
活性させたいということだと思います。
専門家が劣化状況を調べることで
買い手に安心感を持ってもらえることや
購入後のトラブルが減ることなどが期待されています。
確かに高い買い物だけに、どんな建物か分かると安心しますよね。
早速先日私も『既存住宅現況調査技術者』の資格を
持っているので、調査をしてきました!
私が現況調査している時も購入予定の方は、
検討している住宅がどの様な状況なのか自分達でも
いろいろ現況を見ていました。
きっと報告書を見て、安心して頂けたと思います。
設計事務所の仕事は、建築物を設計するだけではありません。
設計が終わった後は、現場に足を運んで
工事が問題なく順調に進んでいるか、
正しい施工が出来ているか、等の
現場の監理も重要な仕事の一つなのです。
例えば、どんなことがあるかというと下の写真です。
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奥の方になりますが、矢印の指している部分を
よく見ると壁の一番奥がそのままになっています。
手前はプラスターボードが貼ってあるのに…。
『ちょっとだけだから、問題ないでしょう。』と思うかもしれません。
しかし、この建物は屋外側に使う材料の仕様と
屋内側に使う材料の仕様の組合せで防火性能を確保しています。
その為、貼っていない部分は防火性能が足りていない!ということになります。
他にもよく見かける事例は、この写真です。

釘がめり込んでいます。
これは、構造用合板を取付けた写真です。
耐震性能を確保するために構造用合板を壁に
取付けて耐力壁としているのです。
しかし、構造用合板が耐力壁として認められているのは
釘がメリ込んでいない状態のときです。
今は技術が進み、空気の圧力を使って釘を電動釘打ち込みます。
その空気の圧力の設定が高いと
上の写真の様にメリ込んでしまいます。
ですので、空気の圧力の設定を弱めにして、
メリ込まない様にしなければなりません。
これらの事を現場で作業している人は
知らないということが多いです。
知らないまま工事が進んでいくと
せっかくお客様をはじめ多くの人が
一生懸命つくった建物も
性能が不足した状態になってしまいます。
そうならないためにも、
現場の監理をすることも設計事務所の仕事です。