西洋建築の瓦も日本建築の瓦も仕組みは同じ!?2018年09月28日

日本建築の屋根に使っている材料と言うと
すぐに思い浮かぶのはではないでしょうか。
西洋建築の屋根にも瓦と同じ様な
材料が使われています。

日本建築では最近見掛けることが少なくなりましたが、
寺院建築や昔の土蔵などで見かける瓦を本瓦葺きと呼びます。

瓦の大きな役目の一つは
降ってきた雨を建物の外に流すこと。
土を練って湾曲させて焼いた瓦を
屋根に並べます。
瓦と瓦の間の隙間に
雨が入っては困るので、
蓋をするように半円形に
焼いた瓦を被せています。
西洋建築の屋根は半円形に焼いた瓦を
上下交互に並べているようです。
その瓦の先端はちょっと違います。
日本建築の本瓦葺きは
半円形の先に円形の蓋を付けた
形になっており、その円形部分に
家紋や文字、三ツ巴などの
意匠性を意識しているのに対して、
西洋建築の屋根は半円形の先に
漆喰に似たものを詰めているだけです。

どちらも湾曲もしくは半円形にして
底面を通して雨を建物の外に
流すことには変わりないですよね。
日本建築西洋建築では
違う部分もありますが、
似ている部分もあるんですね。


近年の瓦はしっかりと固定されている!2018年09月12日

1週間前になりますが、
今までにないほどの強風で
日本列島に上陸した台風21号!
凄まじい強風で、
今まで見たことのない映像が
ニュースで流れていましたね。
台風が来る予報が来ると
「風で物が飛ばされる」と言って
家の周りにあるものを
物入に片づけるなどすると思います。
年配の方などは「瓦が飛んでくる」
と思っている方もおられるようです。
実際昔は瓦は屋根に乗せているだけだったので、
その発想は間違っていません。
屋根の上に土を敷いて、
その土の上に瓦を重ねながら葺いていくのが、
一般的でした。
ですから、瓦の自重と重ねてある上の
瓦の重さだけで何も留めていないのです。
下にある土が滑り止めの
役目をしていたと思われます。

上の写真は瓦を取った状態。
瓦の下には土がある。
しかし、近年では屋根の板の上に
瓦を引っ掛ける桟木を取付けて、
その桟木に釘で留めています。

上の写真の瓦に真ん中下辺りに穴が開いています。
この穴に釘を通して下の桟木に留めます。
釘で留めるので、滑ることもないですし、
外れることもありません。
また、昔みたいに土を敷くと
土の重さも荷重として家の構造に影響します。
近年では土を敷かなくなり、
屋根の重さも土の分だけ軽くなったので、
構造面でもより安全になりました。
昔の瓦葺きとは違うので、
恐らく瓦が飛んでくると
言うようなことはないと思います。
しかし、先日の様な凄まじい台風ですと
必ずしも飛ばないとは言い難いですね。
ただ、そう簡単には飛ばなくなっていることは
間違いないですよ。