先月から始まったリノベーション工事。
耐震改修工事が完了しました。
耐震改修工事では、耐力壁を新たに設け、
現行の建築基準法を超えるだけの
耐震性能をもった建築物になるようにします。
耐力壁を設置すれば良いという訳ではありません。
耐力壁に地震力がかかるとそれによって、
柱と土台または梁が離れ離れにならないようにする金物の
設置も必要になってきます。
これらはと構造計算をしてそれぞれにかかる力を算出して、
その力に耐えられる専用の金物を設置します。
壁の中での工事なので、リノベーション工事であれば、
工務店さんも施工しやすく、しっかりと工事ができます。
耐震改修工事が終わるといよいよ床組の工事に移ります。
徐々に出来上がっていくのが楽しみですね。
設計事務所の仕事は、建築物を設計するだけではありません。
設計が終わった後は、現場に足を運んで
工事が問題なく順調に進んでいるか、
正しい施工が出来ているか、等の
現場の監理も重要な仕事の一つなのです。
例えば、どんなことがあるかというと下の写真です。
奥の方になりますが、矢印の指している部分を
よく見ると壁の一番奥がそのままになっています。
手前はプラスターボードが貼ってあるのに…。
『ちょっとだけだから、問題ないでしょう。』と思うかもしれません。
しかし、この建物は屋外側に使う材料の仕様と
屋内側に使う材料の仕様の組合せで防火性能を確保しています。
その為、貼っていない部分は防火性能が足りていない!ということになります。
他にもよく見かける事例は、この写真です。
釘がめり込んでいます。
これは、構造用合板を取付けた写真です。
耐震性能を確保するために構造用合板を壁に
取付けて耐力壁としているのです。
しかし、構造用合板が耐力壁として認められているのは
釘がメリ込んでいない状態のときです。
今は技術が進み、空気の圧力を使って釘を電動釘打ち込みます。
その空気の圧力の設定が高いと
上の写真の様にメリ込んでしまいます。
ですので、空気の圧力の設定を弱めにして、
メリ込まない様にしなければなりません。
これらの事を現場で作業している人は
知らないということが多いです。
知らないまま工事が進んでいくと
せっかくお客様をはじめ多くの人が
一生懸命つくった建物も
性能が不足した状態になってしまいます。
そうならないためにも、
現場の監理をすることも設計事務所の仕事です。