日本建築の魅力の一つに、職人の遊び心があると思います。
日本建築には装飾の為に何か部材を取付けることは、ほとんどありません。
各部材それぞれに建築としての役割があります。
それ故に、シンプルなデザインであったり、スッキリとしたデザインになるのだと思います。
そんな日本建築をよくよく目を凝らしてみると、職人の遊び心が入っています。
昨年末に完成引渡しをした物件で、お施主様に説明をして了解をいただいた施工部分に、
施工業者さんの提案でちょっと遊び心を入れてみました。
施錠するところを見ると、円形になっていますよね。
本来は建具の左側に角材を取付けて、建具止め兼錠受け材とするのですが、
建具周りをスッキリと見せたかったので、その角材をなくしました。
そうすると施錠することができなくなってしまうので、
錠受け材だけを取付ける必要があります。
その錠受け材に遊び心を入れていみた、という訳です。
今回は、良く見える部材でしたが、
日本建築よく見るとチョットしたところに遊び心の入ったデザインが見つかりますよ。
以前より「足助の山間部に凄い職人技の鏝絵がある。」
と聞いていました。ただ、詳しい場所がハッキリしていなかったので
見に行きたくても行けないままでした。
しかし、先日稲武方面へ行く用事があったので国道153号線を
車で走っていたら偶然にも恐らく噂に聞いていただろう鏝絵を見つけました。
正直これを見たときは細部まで行き届いた職人技に言葉がありませんでした。
本当に鏝絵なのか?と疑いもするほどでした。
ここまで、素晴らしい鏝絵はそうそうお目にかかれないですが、
その他にも色々なところで鏝絵を見ることはできますよ。
よく見掛けるものとしては、土蔵の妻壁に家紋を鏝絵で入れています。
家紋でなくても例えばこんな鏝絵も…。
他にもこんな可愛い鏝絵もあります。
窓の右側に魚の鏝絵があるのが分かりますか。
日本建築ではこんな風にちょっとした遊び心を
ときどき見かけることができますよ。