今月初めに、民家をリノベーションする計画のある物件の現地調査へ行きました。
近所にはまだ茅葺き屋根が残っているほのぼのとした中山間地域です。
改修計画をするにあたり床下を見ておきたかったので、畳を捲っていると、、、、、、、。
何と、囲炉裏の跡が出てきました!!!
民家にとって囲炉裏はどのような存在だったのかを簡単ですが説明しますね。
まず、「囲炉裏(いろり)」という言葉は、室町時代にできたと言われています。
囲炉裏以外にも地方によって呼び名はいろいろありますが、意味するところは火所、人の居場所を表しているそうです。
そして、皆さん聞いてびっくりするかもしれませんが、住まいに設けられた最初の設備なんです。
人類が「火」を扱うようになって歴史が変わったことはご存知だと思います。
それを考えるとなるほど!と思いませんか。
囲炉裏のある所は、食事・団らんの場所・人が集まるところですね。
それは、囲炉裏が炊事、採暖、乾燥、照明などの機能として人の生活の中にあったからです。
それ以外にも歳末や新年、あるいはお産などの行事や儀式めいたことなども囲炉裏のある部屋で行われていたそうです。
囲炉裏は、人の生活の中で欠かすことのできない存在だったことが分かりますね。
建築的要素だけでなく、むしろ民俗的要素の方がたくさんありそうですね。
囲炉裏についていろいろ調べてみると面白かもしれませんね。
参考文献:滅びゆく民家「間取り・構造・内部」川島宙次著
先週末、足助・明川自治区に残る
農村舞台を見せてもらいました。
何と!嘉永五年(1852年)の棟札が残っていました。
今から168年前に建てられたもの。
江戸時代末期に建てられ、この地域の文化を培ってきた建物。
農村舞台の凄い所は木造でこの間口に柱がないということ!!
この間口の開口部を支える大きな梁!
屋根は今となっては鈑金葺きとなっているが、元々は茅葺き屋根。
そして、これらの木組みを支えるのが大工の技術。
もちろん、舞台というので奈落の底なるものがありました。
ちゃんと地狂言(歌舞伎)などを上演できるように作られているのですね。
ちょっとした仕掛けや工夫もあり、
いつも伝統建築物を見ると昔の人の知恵に驚かされます。
豊田市に残る日本建築の魅力を解説するイベントを今月21日(土)に開催します。
日本建築、歴史建築に興味・関心のある方、ぜひご参加ください。
お申し込みはこちら ↓
https://www.toyota-miraijuku.com/events/181
お待ちしております。